もくじ
お米の品種について
お好きな品種を召し上がって頂くのが1番良いと思いますが、最近、アレルギーの方も増えて来ているそうですので、念の為情報共有しておきます。
お米の品種は、『もち米系』と『うるち米系』の2種類があります。
現在販売されているお米のほとんどは、こしひかりに代表される『もち米系』なのですが、実は、もち米系のお米はアレルギーを起こす原因とも言われています。
お米とアレルギーの関係については以前記事を書きましたので、下記リンクをご覧ください。
お米を洗うことをなぜ『研ぐ』と言うのか?
お米の炊き方の前に、不思議に思ったことがありましたので少しお話をさせてください。
お米を洗うことを『研ぐ』と言います。
ブロッコリーを研ぐとか、里芋を研ぐとは言いません。僕の知っている限りでは作物で研ぐというのはお米だけです。同じ穀物の麦やアワ、ヒエでも研ぐとは言いません。
『研ぐ』の意味を調べて見るとこうありました。
- 刃物を砥石 (といし) や皮でこすってよく切れるようにする。「刀を―・ぐ」
- 米などを水の中でこするようにして洗う。「米を―・ぐ」
- みがいてつやを出したり、汚れを取ったりする。「鏡を―・ぐ」
お米と刃と鏡。
あれ? お米、草薙の剣、八咫鏡? 考えすぎでしょうか?
稲穂の国と言われることからしても、お米は神聖なもので、日本人の精神的な拠り所、もっと言うと日本人の原点のようなものかもしれません。
だから三種の神器の鏡や刀と同じように『研ぐ』という言葉を使うのかも知れないとひらめいて、1人興奮しています。
鏡や刀を研ぐように、毎日お米を研ぐことで日本人としての精神の研鑽を積む。みたいな。
なんだか良く分からない事を言ってますね、、
お米を研いでいきましょう。
お米を研ぐ

まず、ポイントをお伝えしますと、、
- 1番最初の水はヌカ臭くなる原因なのですぐに捨てる。
- お米を傷つけないようにやさしく洗う。
- ゴシゴシしない。
- ザルなどは使わない。
- 洗いすぎない。
- 研いだら水に30分ほど漬けておく。(浸水)
今のお米は、精米機の性能が向上していてヌカはしっかり取れていますので、お米が傷つかないよう優しく洗った方が美味しいごはんに炊きあがります。
動画をご用意しました。ぜひご覧ください。
お洗い米の保存

洗って浸水させたお米のことを『洗い米』と言います。すぐに炊く場合は、そのまま炊きます。
すぐに炊かない場合は、
- 洗い米をザルにあげて30分ほど水気を切ります。
- その後、ビニール袋等に入れて冷蔵庫で保存します。
- 洗い米を炊飯器で炊く場合は『早炊き』で炊きます。
炊飯器で、夜にセットして朝炊けるようにしておくのはとても便利なのですが、雑菌が繁殖して食味が失われますので、できれば朝に水加減される事をオススメします。(ご無理の無い範囲で)
洗い米は冷蔵庫で2〜3日保存可能です。
まとめて洗っておくと便利ですね。
水加減と土鍋での炊き方
水加減
土鍋には炊飯器の様な目盛はついていませんので、計量して水加減します。
計量の方法は2つです。
- 洗う前のお米の量の1.2〜1.5倍程のお水を加える。
- 洗い米(浸水後)と同量の水を加える。※容積です。重量ではありません。
2番の方が間違いが無くて便利かもしれませんね。
水の量は、鍋や火加減、お好みの硬さなどによって前後しますので、何回か炊いてお好みの水加減を覚えてください。
土鍋で炊く
土鍋と書いてますが、鉄鍋でもステンレスでも同じ手順で炊けます。
- 水加減をした鍋に蓋をして強火にかける。
- 沸騰するまで強火(蓋を開けて沸騰を確認するのはOK)
- 沸騰を確認したら蓋をして弱火で15分加熱。(蓋は取らない)
- 火を止めて、蓋を取らずにそのまま10〜15分蒸らす。
- 次の工程(ほぐし)へすすむ。
弱火で15分加熱としていますが、鍋の大きさや火加減によって変わります。10分程度で炊きあがる場合もあります。
チリチリと音がしてきたら火を止めましょう。
蓋を取って良いのは、沸騰を確認する時と、蒸らしが終わった時だけですね。
火加減など参考になると思いますので、動画もご覧ください。
ごはんをほぐす理由・美味しくなるよそい方
炊きあがったごはんを、ほぐした方が美味しい、ほぐさない方が美味しいと意見が別れていますが、
僕の結論は、『炊きあがってすぐに食べ切るなら、ほぐさない方が美味しい』です。ただ、すぐに全部食べ切らないのであれば、蒸らしあがったら5分以内に『ほぐした方が美味しい』です。
ちょっとマニアックかも知れませんが、理由を説明します。
鍋でお米を炊きはじめたら沸騰してきた時、蓋のまわりに白い液体が出てきます。この液体のことを『おねば』と良います。
このおねばが、ごはんの美味しさのキーポイントで、良い状態のおねばが沢山お米についていれば、甘くて美味しいと感じます。
おねばは、お米のでんぷんが熱によって糊化(こか)したものです。この糊化したでんぷん(αでんぷん)に唾液に含まれるアミラーゼが反応すると糖に変わります。この時、舌の味蕾が反応して甘くて美味しいと感じます。
また、糊化でんぷんは、時間や冷却や水分によって老化でんぷんに変わり、アミラーゼが反応しずらくなるため糖に変わりにくくなったり、固くなったりするため、美味しく感じにくくなります。
でんぷんの糊化は65℃からはじまります。逆に65℃以下になると老化がはじまります。
だから炊飯器の保温は70℃位なんですね。

つまり、糖化でんぷんの量や老化でんぷんが食味に大きく影響します。
ほぐした時とほぐさない時ではどう変わるのか?
炊飯器でごはんを炊いた時、釜のまわりに白くてパリパリの薄い膜が張っていることを見たことありませんか? あれが、おねばが乾燥して老化でんぷんになった状態なのです。
しかも、あのパリパリの膜は【 ほぐした時にしか現れません 】
ほぐさない時は、パリパリの膜は現れないのです。
つまり、ほぐすとおねばが出てしまい、ほぐさなければごはんについているということになります。
つまり…
炊飯器で炊いた場合は、
- 糊化でんぷんの状態で食べ切れるのであれば、ほぐさなない方が良い。
- 老化でんぷんになる可能性が有るのであれば、ほぐして余分な糊化でんぷんを取り食味が落ちないようにした方が良い。
ということになります。
土鍋で炊いた場合は、炊飯器に比べ温度が下がりやすく、表面から老化がはじまりまってしまいます。
糊化したでんぷんが老化すると、ノリの様な状態になりごはん粒同士をくっつけてしまいますので、表面から順番に固くなりゴワゴワした食感になってしまいます。
その様な状態を避けるため、ほぐす事で、ごはん同士がくっつくことを防ぎ、1粒1粒をコーティングする状態にすることができ、冷めても美味しく感じることが出来ると考えられます。
ですので、土鍋で炊いたご飯はすぐにほぐす方が良いと僕は考えています。
ウンチク書きましたが、ご自分が美味しいと感じる方法をお選びください。
ほぐし方とよそい方
ほぐし方
- まず、鍋肌に沿って1周しゃもじを入れます。
- 十字に切ります。
- 十字に切った4つの部分をそれぞれほぐします。
空気を含ませるように、切るようにしゃもじを動かすのがコツだよ。
よそい方
- 釜の中で、ごはんに空気を入れるようにほぐす。
- ごはんをしゃもじにすくい、スライドさせるように茶碗によそっていく。
- 1度によそってしまわず数回に分ける。
- お茶碗の7分目か8分目位までにする。(沢山よそわない)
- しゃもじで上から押さえない。

動画をご覧ください。

土鍋で玄米を炊く時は?

手順は同じですが、水加減や時間が変わります。
- 浸水時間・・1晩(最低6時間)
- 水加減・・1合につき250cc前後
- 炊き時間・・25〜30分
- 蒸らし時間・・10〜15分(白米と同じ)
お好みですが、玄米の場合は洗う時に少し力を入れてお米の表面にキズを付けると水を吸いやすいので柔らかく炊けるとう考え方もあります。(個人的にはプチプチの玄米が好きなのでやさしく洗って浸水時間や炊き時間を長くしています)
まとめ
いかがでしたでしょうか? ごはんを美味しく食べるヒント見つかりましたでしょうか?
本当に美味しく炊けた時は、ごはんだけでも十分ごちそうに感じますよね。ぜひ試してみてくださいね。