こころはどこにあるの?あたま?心臓?それとも…

つくさん
まい君、唐突だけど、「こころ」ってどこに有ると思う?
助手のまいさん
ほんとに唐突ですね…
つくさん
まぁ、それは今日に限った事じゃないんで、許してくれ。
ところで、どこだと思う?
助手のまいさん
(しつこいな…)えーー 心臓ですかね?
助手のまいさん
いや、頭かな?
つくさん
そうだよね。僕も、脳か心臓かどっちかだって思ってた。
つくさん
だけど、色々調べていくと、どうも「腸」にあるんじゃ無いかと思うんだ。
助手のまいさん
腸ですか??
つくさん
そう!! じつは、性格も腸に関係しているそうなんだ。
助手のまいさん
じゃぁ、腸が変わると、性格が変わるってことですか?
つくさん
そうなんだ。正確には、腸内環境だけどね。
腸内環境によって、性格やこころの状態が変わってくるという研究が有るんだよ。

助手のまいさん
じゃ、先生の唐突なところと、しつこいところも治りますかね?
つくさん
・・・。

腸は第一の脳


脳が無い生物は沢山いますが、腸が無い生物はほとんどいませんよね。

生物の進化の過程を考えてみると、腸だけの生物から進化して、脳が有る生物が出てきています。

腸は第二の脳とも言われていますが、進化の過程などを考えると、脳より腸の方が「第一の脳」とも言えるかもしれません。

腸と脳は情報をやりとりしている。


心臓や肺などの多くの臓器は、脳が無いと働くことはできませんが、腸は、脳が無くても働くことができます。

しかし、独立して働いているのでは無く、脳と情報をやりとりしながら働いてることが分かって来ました。

そればかりか、腸からの情報で、脳の機能も影響を受けていることが、最近の研究で明らかにされています。

腸と脳は、お互いに影響しあっているのです。

腸はただの消化器官ではなく、こころの健康にも大きく影響しています。


腸は、消化吸収する器官のようなイメージですが、実は、それだけではありません。

腸のはたらき3つ

  • 食べたものを、消化・吸収して、栄養を補給する。
  • 腸管免疫で、細菌・ウイルス・化学物質などから身を守る。
  • 腸には多くの神経が集まり、こころの安定に影響している。

善玉菌・悪玉菌・日和見菌


腸内には、1000兆もの様々な菌が生息しています。

善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分かれるのですが、健康な成人で、
2:1:7の割合で存在すると言われています。

助手のまいさん
先生、善玉菌、悪玉菌は、なんとなく想像つきますが、日和見菌はどんな役割があるんですか?
つくさん
簡単に言うと、善玉菌が増えると善玉菌の見方をして、悪玉菌が増えると悪玉菌の見方をする菌のことだよ。
助手のまいさん
なんだか八方美人なヤツだなぁ。
人間社会と一緒ですね。
つくさん
・・・
まぁ、とにかく、善玉菌を増やして、悪玉菌を増やさない事が大切ってことです。
助手のまいさん
悪玉菌が増えるのは、どんな時なんですか?

ストレスが有ると悪玉菌が増える。

つくさん
NASAが宇宙飛行士の腸内環境を調べたデータでは、極度の緊張や不安が有る時に、悪玉菌が増えたそうだ。

つまり、ストレスで悪玉菌が増えるということだね。
つくさん
あとは、薬などの抗生物質も、悪玉菌が増える原因になると言われてるよ。
助手のまいさん
食べ物ではどんな物があるんですか?
つくさん
何を食べたらダメというよりは、バランスの良い食事をすることが大切ですね。
つくさん
(化学合成された)食品添加物が悪玉菌を増やすという説もあるけど、はっきりとは言い切れないみたいだね。
一時的には、増えるけど、改善するという研究結果もあるそうだ。
でも、一時的に増えるってことは、毎日食べ続けると何かしらの影響は有るかもしれないね。はっきりとは言い切れないけど。
助手のまいさん
なるほど、とにかくバランスが摂れた食事ですね!!
つくさん
そうだね。
それと、発酵食品・乳酸菌・食物繊維は、善玉菌のエサになって、善玉菌が増えるので、積極的に食べるようにしましょう。

腸内環境がウツの原因にも。こころの健康に影響している。

イギリスの研究者による124人の健常者に、各種乳酸菌を与える実験では、実験開始前にうつの度合いが高かった被験者ほど、気分が大幅に改善した。

エムラン・メイヤー. 腸と脳体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか (Japanese Edition)

私たちが何を食べるかは、腸の健康に多大な影響を及ぼす。食事は、腸と脳の相互作用を調節して改善するための、簡単かつ楽しみながらできる、安上がりな方法なのだ。

プロバイオティクスは人間のうつ病の治療にも有効なのだろうか?予備的実験の結果によれば、人によっては有効のようだ。


ヒトとマウスについてのいくつかの研究から、腸内環境の悪化によって、うつ病が発症しやすくなると分かってきました。

逆に、腸内環境を改善する善玉菌を増やす食事をすると、こころも健康になるという訳です。

幼少期の腸内環境で性格が変化する?

つくさん
最近のマウスを使った研究で、幼少期の腸内環境が、性格を作り上げることが分かってきたんだ。
助手のまいさん
こころの健康だけじゃなくて、性格もですか?
つくさん
そうなんだ。次のイラストを見て欲しいんだけど、
参考図書:藤田 紘一郎. こころの免疫学(新潮選書)
つくさん
生まれてきて腸内細菌が整っているマウスは、おとなしい性格に。腸内細菌が無いマウスは、攻撃的な性格になるそうなんだ。
助手のまいさん
へー!腸内細菌の有無で性格が変わるんですね。
つくさん
そう!
腸内細菌によって性格が変わるのは、他の実験からも分かって来ているそうなんだ。
助手のまいさん
へー。
つくさん
そして、今回の実験は、
腸内細菌が無いマウスに、細菌を入れる実験だったんだけど、
助手のまいさん
ほうほう。
つくさん
成長初期に細菌を入れた場合は、おとなしい性格のマウスになって、
つくさん
成長後に入れた場合は、攻撃的なマウスになったそうなんだ。
助手のまいさん
へぇーーっ。
つくさん
人は、様々な要因で性格が形成されるだろうから、この実験結果だけでは、なんとも正確なことは言えないけど、全く無視は出来ないんじゃないかな。
助手のまいさん
そうですね。
つくさん
6歳までの食事が、その人の味覚を作り上げるって言うけど、ひょっとしたら、性格までも作り上げているのかもしれないね。
助手のまいさん
そうですね。
つくさん
まい君、なんか今日、返事がテキトウすぎない?ちょっと攻撃的だし…
悪玉菌が増えてるのかな?
助手のまいさん
・・・。